新経済連盟、訪日外国人旅行者1億人に向けた具体策を提言、民泊推進から横田基地の民間共用まで

新経済連盟は、昨年2月に提出した「観光立国2020」で掲げた訪日外国人旅行者1億人、訪日外国人旅行消費額30兆円の目標を達成するための具体的な提言「超観光立国~1億人・30兆円の目標実現に向けて~」をまとめた。

まず、インバウンドの促進では、日本を訪れてもらうための方法としてデジタルマーケティング戦略の強化を提言。横串かつ継続的な情報提供を可能にするプラットフォームの構築とともに、戦略の司令塔となる政府CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を民間から登用すべきとした。さらに、LCCや横田基地の民間共用を含めた空港発着枠拡大などの航空政策の見直しを提言した。

訪日外国人の滞在では、シェアリングエコノミーの推進に言及。幅広い類型でのホームシェアの実施、ライドシェアの推進、個人が有しているユニークな知識や経験を生かした体験型ツーリズムの推進を提言した。このほか、無料Wi-Fi環境の整備、キャッシュレス決済の促進、富裕層をターゲットとしてラグジュアリーツーリズムの強化を盛り込んだ。さらに、都市空間の魅力を向上させる取り組みとして、民間事業者による公園の活用として公園コンセッション(公園内営業権の入札)の実施、夕方から夜にかけての観光の充実を図るナイトタイムエコノミーの改善、MICEマーケティングの充実を挙げた。

また、リピーター育成については、帰国後も日本を身近に感じてもらう施策として、アプリなどを利用して日本の情報をプッシュ型で提供する仕組みを提案したほか、海外予約サイトと提携し、リピーターに対してクーポンを発行するアイデアやターゲットを絞り込んだマーケティングの実施を求めた。加えて、訪日の際に店舗で購入した商品を帰国後もECで買い物をしてもらう越境ECについても、取り組み強化を促した。

観光行政に対しては、観光に関する行政の一元化し、観光庁の省へ格上げすることを提言したほか、日本の観光予算規模は世界的に見ても小さいことから、予算のさらなる拡充も求めた。